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最高裁判所第一小法廷 昭和55年(オ)882号 判決

上告人 古賀勝

被上告人 国

主文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理由

上告人の上告理由について

所論は、要するに、換地処分の結果いわゆる減歩が生じたこと自体をもつて当然に減歩分に相当する土地の公用収用があり、その価額に相当する損失を被収用者に与えたものとして憲法二九条三項の規定によりその補償義務が生ずるというにあるが、右減歩によつて直ちにその減歩分の土地の価額に相当する損失が生ずるわけではなく、また、換地の結果補償されるべき損失が生じたと認められる場合については土地区画整理法上その補償措置が講じられていることは、原判決の説示するとおりであり、論旨は、ひつきよう、独自の見解に立つて原判決の不当をいうものにすぎず、採用することができない。

よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。

(裁判官 本山亨 団藤重光 藤崎萬里 中村治朗 谷口正孝)

上告理由 <略>

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